ドライブスルー型に代表される機械洗車(門型洗車機)と、スタッフの手による手洗い洗車には、それぞれ明確なメリット・デメリットが存在します。近年は洗車機のブラシ素材が高密度発泡ウレタンや不織布へと進化し、機械洗車によるスクラッチ傷は以前と比べて大幅に低減しました。それでも手洗い洗車が選ばれ続ける理由は、「人の目と手でしか対応できない細部の処理」にあります。
フロントグリルの細かな網目、ドアミラーの付け根、リアスポイラーの裏側、ナンバープレート周辺、ホイールハウスのフチといった複雑な形状部分は、機械洗車の回転ブラシでは物理的に毛先が届きません。手洗い洗車ではこれらの隙間に溜まったピッチ・タールやブレーキダストを専用ブラシやスポンジで丁寧に掻き出すことができます。
一方で、時間効率とコストパフォーマンスを最優先する場合は機械洗車の優位性が際立ちます。機械洗車が5分〜10分程度・数百円〜1,500円程度で完了するのに対し、手洗い洗車は最低でも30分以上の拘束時間と3倍以上の費用がかかります。日頃の泥汚れを素早く洗い落としたい通勤車や営業車であれば機械洗車で十分なケースも多く、週末のドライブ用車両やボディのツヤを長く維持したいプレミアムカーは手洗い洗車を選ぶといった、目的別の使い分けが合理的です。