カリウムを摂取する上で絶対に知っておかなければならない物理的特性が、水に溶け出すカリウムの性質です。カリウムは水溶性ミネラルであるため、食材を水にさらしたり、大量のお湯で長時間茹でたりすると、栄養成分が煮汁へとどんどん逃げ出してしまいます。
文部科学省の日本食品標準成分データや各種調理実験の検証結果によると、葉物野菜を鍋でたっぷりのお湯で茹でこぼした場合、約30%〜50%のカリウムが茹で汁中に流出することが確認されています。たとえば、むくみ対策を意識して野菜をたっぷり入れた鍋料理を作っても、野菜だけを食べてスープを残してしまうと、溶け出したカリウムの大半を捨てていることと同義になってしまいます。
栄養の損失を食い止めるための具体的な調理テクニックは次の3点に集約されます。
- 「生食」をベースにする:アボカド、トマト、バナナ、果物類など、加熱や水洗いの工程を最小限に抑えられる食材は、カリウムを100%近い状態で身体に取り込めます。
- 電子レンジや無水調理を活用する:ほうれん草やブロッコリーを加熱する際は、お湯で茹でるのではなく、耐熱容器に入れてラップをし、レンジ加熱で蒸し上げます。これにより水への接触を断ち、流出を10%前後に抑え込めます。
- 煮汁ごと飲み干せるスープにする:味噌汁、ポトフ、野菜スープ、ミネストローネなど、汁ごと完食できるメニューに仕立てることで、溶け出したミネラルを残さず回収できます。ただし、塩分の摂りすぎを防ぐため、出汁を濃く利かせた「減塩仕立て」にする工夫が欠かせません。
ほうれん草の調理法と注意点として、ほうれん草には尿路結石の原因となりうるシュウ酸が含まれています。シュウ酸を抜くために湯通しを行う際は、「沸騰したお湯で1分以内」を目安に素早く引き上げ、冷水にさっとくぐらせる程度に留めると、シュウ酸を落としつつカリウムの流出を最小限に防ぐことができます。