自家製はちみつレモンで最も多い失敗要因が「皮の苦味」です。この苦味の主因は、レモンの外皮と果肉の間にある白いワタ(アルベド)に多く含まれる「リモノイド」や「ナリンギン」と呼ばれるポリフェノール系の苦味成分にあります。
市販のレモンを使用する場合、まずは国産レモン無農薬の選び方が重要です。輸入レモンには長距離輸送時の腐敗を防ぐため、OPP(オルトフェニルフェノール)やTBZ(チアベンダゾール)といった防カビ剤(ポストハーベスト農薬)が散布されているケースが一般的です。皮ごと漬け込む料理では、防カビ剤不使用(ノンケミカル)と明記された国産レモン(広島県産・愛媛県産など)を選ぶのが基本原則となります。
輸入レモンを使用せざるを得ない場合や、苦味を極限まで抑えたい場合には、科学的根拠に基づいた苦味を出さない皮の下処理を実施します。
【苦味をゼロにする下処理の3ステップ】
1. 塩もみとブラッシング:
粗塩をレモン全体に擦り込み、果皮の表面にある油胞(エッセンシャルオイルを含む組織)を刺激しながら汚れと余分な油分を浮かせ、流水で洗い流します。
2. 10秒間の熱湯通し(ブランチング):
沸騰した湯にレモンを丸ごと10秒ほどくぐらせ、すぐに冷水に取ります。熱により果皮表面の残留ワックス成分が溶け出し、苦味成分の溶出を大幅に抑制できます。
3. 白いワタの調整・薄切り:
苦味に極めて敏感な方は、両端の厚い皮を切り落とした後、ピーラーで外側の黄色い皮(フラベド)だけを薄く剥いて千切りにし、内側の白いワタを包丁で削ぎ落としてから果肉と合わせる「セパレート仕込み」を行うと、一切の苦味がない極上の仕上がりを実現できます。