従来のチョコレートスナックは、コーンやビスケットの表面にチョコレートを吹き付ける「コーティング製法」が主流でした。しかしこの手法には、夏場にチョコが溶けて手に付着しやすい点や、生地の奥まで味が浸透せず一体感に欠けるという構造的弱点が存在していました。この常識を根底から覆したのが、ギンビスが確立した「含浸(がんしん)製法」の特許技術です。
含浸製法の核心は、真空減圧技術の応用にあります。多孔質(無数の微細な空気の隙間を持つ構造)に焼き上げた星型のコーンスナックを特殊な圧力釜に入れ、気圧を下げて内部の空気を徹底的に抜き取ります。その後、液状のチョコレートを一気に流し込み、今度は圧力をかけて生地の中心部までチョコを強制的に浸透させるのです。同社の開発担当者が過去の業界インタビューで「スナックの軽快な気泡構造を潰さずに、限界までチョコレートを行き渡らせる圧力コントロールに数え切れない試行錯誤があった」と証言している通り、極めて高度な物理制御が求められる技術です。
この製法により、生地のサクサクとした心地よい食感を損なうことなく、内部までチョコが均一に行き渡る構造が完成しました。表面が油脂コーティングでベタつかないため、気温が高い環境でも「手が汚れにくい」という画期的な利便性を獲得し、オフィスワークやスマートフォン操作中のスナックとしても絶大な支持を獲得することに成功したのです。