実際の施工において、プロの現場で徹底されている基本ワークフローは、緻密かつ無駄がありません。ここでは最も隙間が発生しやすい「巾木の上部」および「部屋の入隅(壁と壁が合流する角)」の施工手順を解説します。
ステップ1:下地清掃とマスキングテープの貼り方
巾木の上面やクロスの隙間に溜まったホコリを、刷毛や掃除機で完全に取り除きます。油分がある場合はエタノール等で脱脂します。次にマスキングテープを隙間の両脇に貼ります。この際、隙間のフチから約0.5mm〜1mm外側に沿わせるのがコツです。壁紙の表面にテープを強く圧着しすぎると剥がす際に表層を傷めるため、指腹で軽く押さえる程度に留めます。
ステップ2:微量充填と指先によるならし
ノズルを45度に倒した状態で、隙間に軽く先端を押し当てながら一定速度で引いていきます。「盛る」のではなく「隙間の奥へ流し込む」感覚です。打ち終わったら、湿らせた指先(または専用のコーキングヘラ)で、撫でるように表面を平滑にならします。余剰なペーストはこの段階で指先にすくい取ります。
ステップ3:高密度スポンジによる即時拭き取り
ならし作業が終わった直後、水を含ませて限界まで固く絞った吸水セルローススポンジを使用し、壁紙に対して平行に撫でるようにして、はみ出た樹脂膜を拭い去ります。同じ面で何度も拭くと汚れを広げるため、スポンジの面を変えながら常に綺麗な面で仕上げます。
ステップ4:マスキングテープの撤去と最終チェック
コーキング材の表面が乾燥を始める前に、マスキングテープを壁面に対して45度の角度でゆっくりと引いて剥がします。硬化後に剥がすとコーキング材まで一緒に引っ張られ、断面がギザギザに破断するため、注入後5分以内の撤去が絶対条件です。