現地を歩く観光客や、長年浅草に通うファンの声を検証すると、カタログスペックだけでは見えてこない実態が浮かび上がってきます。
まず注目すべきは、「あんこなし(カステラ焼き)」の熱烈な支持層です。「餡が入っていない人形焼は手抜きではないか」と考えるのは早計です。卵と小麦粉、砂糖、みりんやハチミツを絶妙な比率で練り上げた生地そのものの香ばしさと優しい甘みは、一度ハマると抜け出せない魅力があります。特に小さな子どもを持つ親層や、過度な甘さを避ける外国人旅行者、そして「純粋に人形焼の生地のファン」という地元住民の間で、あんこなしを指名買いする動きが定着しています。
また、浅草での「食べ歩き」に関するルールには細心の注意が必要です。現在、仲見世通りを含む浅草寺境内周辺では、歩きながらの飲食(歩行食)はマナー違反・景観保全の観点から禁止されています。購入した人形焼はその場(店舗の脇に設けられた指定イートインスペースなど)で立ち止まって味わうのが現地の鉄則です。焼き立ての湯気が立ち上るアツアツの状態で一口頬張ると、外側のクリスピーな香ばしさと中のフワッとした熱気が広がり、持ち帰りとは別次元の感動を体験できます。