中目黒という街には、特有のプライドがある。ハイエンドなヴィンテージ家具ショップと個人経営のコーヒースタンドが違和感なく隣り合うこの界隈で、量販ブランドが受け入れられるハードルは決して低くない。陳腐な安売り路線を持ち込めば、目の肥えた住人たちは一瞬で見切りをつける。
そのシビアな街の文脈を、この店舗は逆手に取った。フロアの随所に配されたコーディネートブースは、ヴィンテージマンションのリノベーション物件を露骨に意識した佇まいを見せる。真鍮の鈍い光沢を放つステーショナリーや、無駄を削ぎ落としたアイアンフレームのシェルフ。ブランドロゴを前面に押し出さず、プロダクトそのものの質感で勝負する姿勢が、舌の肥えた目黒の住人たちの自尊心を巧みにくすぐる。