性を取り巻く国際的・国内的な規範も、生殖や避妊のみを扱う枠組みから「包括的なウェルビーイング」へとアップデートされている。世界保健機関 (WHO) は、性的健康(セクシュアル・ヘルス)を「身体的、感情的、精神的、社会的に満たされた状態」と定義し、誰もが自己決定権と尊厳を守られるべきだと一貫して主張してきた。
日本国内においても、日本性科学会をはじめとする専門組織が、パートナーシップにおける日常的な対話の重要性を繰り返し提言している。従来の「言わなくても察する」という曖昧さに頼るのではなく、希望や不安を素直に言葉にし合う文化の醸成こそが、対等で健全なセクシュアリティを支える。不快感を我慢せず、互いの意思を等しく大切にする姿勢が、本当の意味での親密さを形作る。