長年親しまれてきた存在であるからこそ、山口進の評判や作品に対する世論の受け止め方は非常に深く、多面的です。SNSや大手掲示板、知恵袋などのコミュニティを検証すると、読者層の世代ごとに異なる鮮烈な記憶が刻まれていることが分かります。
昭和から平成にかけて学童期を過ごした世代からは、「理科の教科書以上に自然の神秘を教えてくれた」「ノートの表紙を見るだけで胸が高鳴り、裏表紙の解説コラムを隅から隅まで読み込んだ」というノスタルジーと感謝の念が圧倒的多数を占めます。当時の手記によれば、山口進氏は現地での過酷なマラリア感染や危険生物との遭遇を乗り越えながら、子どもたちに「本物の生命の迫力」を届けることに並々ならぬ矜持を持っていました。
一方で、2010年代初頭に一部の学校や保護者から「昆虫の写真が怖い、気持ち悪い」というクレームが寄せられ、ジャポニカ学習帳の表紙から一時的に昆虫写真が外れ、植物主体のデザインへシフトした社会事象について、ネットの反応では今なお議論が交わされています。「子どもを自然から隔離してどうするのか」「山口さんの写真は生き物の尊厳を教えてくれていたのに」といった惜しむ声が噴出し、その反動として2026年代以降の復刻版企画や追悼特番へと繋がっていきました。現場目線の証言からも、彼の写真はただの教材表紙ではなく、日本人の「自然に対する情緒」を育む文化的インフラであったことが実証されています。