エコラリアとは?自閉症サインと発達の違い・原因と正しい接し方を解説

エコラリアとは?自閉症サインと発達の違い・原因と正しい接し方を解説

エコラリアとは?自閉症サインと発達の違い・原因と正しい接し方を解説とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

エコラリア(Echolalia)とは、他者が発した言葉やテレビ・動画などから耳にした音声を、自分の言葉として意味を再構成することなくそのまま繰り返して発声する現象を指します。日本語では「反響言語」や「オウム返し」と称されます。小児の言語発達において、エコラリアは大きく「即時性エコラリア」と「遅延性エコラリア」の2つのタイプに分類されます。

即時性エコラリアは、相手が発言した直後にその言葉をそのままリピートする現象です。例えば、親が「お風呂に入る?」と尋ねた際、子どもが即座に「お風呂に入る?」とオウム返しをするケースがこれに当たります。このとき子どもの脳内では、耳から入った音声を一時的に保持しつつ、言葉の意味を懸命に理解しようとする情報処理のバッファ(時間稼ぎ)として機能している場合や、相手に対して「あなたの声を聞いています」という会話の接続を維持しようとする心理が働いています。

一方、遅延性エコラリアの特徴は、数時間前、数日前、あるいは数ヶ月前に耳にしたフレーズ(テレビアニメの決め台詞、電車の車内アナウンス、YouTubeの音声、過去に親から注意された言葉など)を、全く関係のない場面や一人遊びの最中に突然口から出す点にあります。これには、強い情動(強い不安、緊張、極度の退屈や興奮)を感じた際に、親しみのある特定の音の響きを繰り返すことで心を落ち着かせようとする「自己刺激・自己鎮静(コーピング)」の役割があることが臨床研究で明らかになっています。

また、発達心理学や言語獲得理論において注目されているのが「ゲシュタルト言語処理(Gestalt Language Processing)」という視点です。通常、子どもは単語を一つずつ覚えて文へと組み立てていきますが、ゲシュタルト処理タイプの子どもは、会話やフレーズを「ひとまとまりの音楽のような塊」としてまるごと脳に記憶します。一見すると意味のない遅延性エコラリアであっても、子ども自身にとっては「楽しい」「助けてほしい」「疲れた」といった特定の感情や状況を表現するための、独自のコード化されたメッセージであるケースが多々存在します。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。