アニメの枠を飛び出し、現実のスポーツ・格闘技エンターテインメントに決定的な変革をもたらしたのが、1981年4月に新日本プロレスのリングに降臨した初代タイガーマスク(佐山聡)の存在です。
当時、蔵前国技館の通路から黄色と黒の虎のマスクを被った佐山聡氏が登場した瞬間、会場に鳴り響いた音楽こそがアニメ『タイガーマスク』の楽曲でした。四次元殺法と呼ばれた前代未聞の空中殺法と、あの緊迫感あふれるブラスサウンドが完全に融合したことで、プロレス界における「入場テーマ曲文化」は劇的な進化を遂げることになります。
その後、初代タイガーマスクのテーマ曲としては、アニメ主題歌のインストルメンタル版や、1981年にリリースされたイメージソング『おまえは虎になれ』(歌:松村とおる)、さらには海外ロックをコラージュした『バーニング・タイガー』など複数のバリエーションが生み出されました。しかし、プロレスファンにとって「虎の咆哮」とともに脳裏に焼き付いているのは、やはり初代アニメOPのメロディラインです。入場曲がレスラーのアイデンティティそのものを決定づけるという演出手法は、まさにタイガーマスクの成功によって確立されたと言えます。