満身創痍の現役生活を精神面・肉体面の両面から支え続けたのが、2013年に結婚した妻の絵莉香(えりか)夫人です。結婚披露宴やテレビのドキュメンタリー番組に出演した際、その端正で気品ある美貌が「相撲界屈指の美人妻」として大きな話題を呼びました。
しかし、彼女が担った役割は華やかな一面だけではありません。膝の再建手術を終えて歩くことすらままならない夫のリハビリを献身的に介護し、力士の体を維持するための高タンパクかつ関節への負担を減らす厳格な栄養管理を徹底。どれほど土俵で痛恨の敗戦を喫して帰宅しても、温かく穏やかな家庭環境を保ち続けました。
夫妻の間には3人の子供(長女・次女・長男)が誕生しています。現役終盤、重症を抱えながら40歳まで土俵に立ち続けた背景には、「物心がつくまで、父親が力士として戦っている姿を子供たちの目に焼き付けたい」という強い父親としての情熱がありました。断髪式において土俵上で子供たちから花束を受け取り、思わず涙を流した姿は、土俵の鬼が見せた真の人間味として今なお語り継がれています。