なぜ日本代表は、強豪ひしめく世界ランキングでここまで急激に順位を上げることができたのでしょうか。その背景には、2018年ロシアW杯以降に導入されたFIFAランキング計算方法の仕組みを徹底的に味方につけた戦いぶりがあります。
現行の算出ロジックは、チェスなどで用いられるEloレーティングを基にした「SUMアルゴリズム」です。基本計算式は以下の通りに設計されています。
P = Pbefore + I × (W - We)
- Pbefore:試合前の保有ポイント
- I:試合の重要度係数(親善試合=10、大陸予選=25、W杯本大会準々決勝以降=60など)
- W:試合結果(勝ち=1、PK勝ち=0.75、引き分け=0.5、PK負け=0.5、負け=0)
- We:対戦相手とのランキング差から算出される勝敗の期待値
この計算式の決定的な特徴は、「格上の対戦相手に勝利した際、爆発的にポイントが加算される」点にあります。これがまさに、サッカー日本代表ランキング上昇の理由の核心です。日本はW杯本大会や国際Aマッチにおいて、当時格上だったドイツやスペイン、トルコなどの強豪を相次いで撃破しました。勝敗期待値(We)が低かった相手に対して純粋な勝利(W=1)を収めたことで、1試合で獲得できるポイントが跳ね上がったのです。
さらに重要な要素が、サッカー日本代表対戦成績とポイントの管理における「格下への取りこぼしゼロ」です。SUM方式では、自国より順位が大幅に下の相手に引き分けたり敗れたりすると、期待値との乖離によって大量のポイントを没収されます。森保ジャパンはアジア2次予選および最終予選において、徹底したスカウティングと選手層の厚みによって下位国を相手に完封勝利を積み重ねました。マイナスポイントを徹底して防ぎつつ、強豪戦で一気にポイントをもぎ取る戦略的勝利が、現在の順位を創出しました。