判明しているガンダム・フレームの中でも、物語の中核を担った主要機体の数奇な運命と戦術的役割を掘り下げて検証します。
ガンダム・バルバトス(ASW-G-08)&三日月・オーガスの軌跡
火星の砂漠地帯に放置され、民間警備会社CGSの「基地動力源」として使われていた状態から復活した奇跡の機体です。阿頼耶識システム施術を3度受けていた三日月・オーガスと接続されたことで、眠っていた潜在性能が爆発的に開花しました。
敵機の装甲や兵装を現地改修で次々に奪い取る「形態変化(第1〜第6形態)」を繰り返し、テイワズの技術で全面改修された「バルバトスルプス」、そしてハシュマル戦でのリミッター解除を経て異形の爪と尻尾(テイルブレード)を備えた「バルバトスルプスレクス」へと進化を遂げました。機械と人間が完全に同化し、文字通り人馬一体となって暴れ回ったその姿は、厄祭戦当時の狂気を最も色濃く体現しています。
ガンダム・バエル(ASW-G-01)&アグニカ・カイエルの神話
ギャラルホルン創始者である英雄アグニカ・カイエルが搭乗し、人類を救ったとされる序列第1位の象徴機です。厄祭戦終結後はギャラルホルン地球本部のヴィーゴール地下深くに厳重に安置され、300年間一度もフレーム構造や塗装に手が加えられていませんでした。
特筆すべきは、「余計な射撃火器や装甲を一切排除し、2振りのバエル・ソードのみでMAを切り裂いた」という驚異的な純粋格闘スペックです。アグニカの阿頼耶識同調率が極限に達していたからこそ成立した設計であり、マクギリス・ファリドはこの機体を奪取・起動することでギャラルホルンの最高統率権を握ろうと試みました。
ガンダム・キマリス/ヴィダール(ASW-G-66)&ガエリオの執念
セブンスターズの一角、ボードウィン家に代々受け継がれてきた名機です。高機動ブースターと大型ランス「グングニール」を用いた一撃離脱戦を得意とし、重力下戦用のトルーパー形態など柔軟なバリエーションを持ちます。
カルタや部下の仇を討つべく、一度はマクギリスに敗れ大破したキマリスは、正体を隠すため「ガンダム・ヴィダール」へと偽装されました。この際、マクギリスへの復讐と阿頼耶識への対抗策として、戦死したアイン・ダルトンの脳組織を組み込んだ「阿頼耶識Type-E」を搭載。擬似的にパイロットへの負荷をアインの脳に肩代わりさせるという禁忌の技術によって、三日月のバルバトスやマクギリスのバエルと互角以上に渡り合う戦闘力を手に入れた経緯は作中屈指のドラマです。
『月鋼』と『ウルズハント』を彩る新世代のフレームたち
外伝『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼』に登場するアスタロトは、名家ウォーレン家の没落によってフレーム以外の外装の大半が闇市に売却されてしまったという異例の経歴を持ちます。散り散りになった本来の装甲を取り戻す旅の過程で、ウヴァルやグレモリーといった同型機との激闘が描かれました。
さらに『ウルズハント』では、金星の廃棄コロニー群から目覚めたガンダム・端白星(マルコシアスの改修機)やアスモデウス、ガミジン、ムルムルなど、本編では見られなかった特殊ギミック(有線射出兵装や4本腕のサブアーム)を搭載した機体が続々と参戦し、厄祭戦の兵器バリエーションの奥深さを証明しています。