鹿児島の伝統菓子あくまき徹底解剖!灰汁を使う理由とプロ直伝の食べ方

鹿児島の伝統菓子あくまき徹底解剖!灰汁を使う理由とプロ直伝の食べ方

鹿児島の伝統菓子あくまき徹底解剖!灰汁を使う理由とプロ直伝の食べ方の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

「なぜ、わざわざ木灰の灰汁水であくまきを作るのか?」——多くの人が抱く最大の疑問の答えは、アルカリ性によるデンプンの化学変化(糊化現象)と抗菌性にあります。

伝統的なあくまきの木灰 灰汁水 作り方では、樫(カシ)や楢(ナラ)、孟宗竹などを燃やして得られた純度の高い上質な木灰に湯を注ぎ、上澄み液を布で濾して抽出します。この灰汁水はpH10.5〜11.5前後の強アルカリ性を示します。洗ったもち米を一晩この灰汁水に浸すことで、アルカリ成分がもち米の細胞壁を破壊し、デンプンの分子結合を緩めます。これを竹皮で巻き、さらに灰汁水の中で3時間から4時間ほどじっくり煮込むことで、米粒の形が完全に消え去り、ゼリー状の滑らかな飴色の餅へと変貌を遂げるのです。

この製法には主に3つの決定的なメリットが存在します。

第一に「加熱殺菌と雑菌繁殖の抑制」です。強アルカリの灰汁水で長時間煮沸されたあくまきは内部まで無菌状態に近くなり、高温多湿な鹿児島においても腐敗の進行を大幅に遅らせます。第二に「デンプンの老化(硬化)防止」です。一般的な餅菓子は冷めるとデンプンが再結晶化して固くなりますが、強アルカリによって糊化されたあくまきは、常温放置でも数日間は柔らかなゼリー状の質感を維持できます。第三に、竹皮に含まれる天然のポリフェノール類との相乗効果によって、独特の琥珀色と芳醇な野趣あふれる香気が生まれます。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。