そもそも、なぜこれほどまでにお腹の中にガスが充満してしまうのでしょうか。お腹のガス溜まりが起きる理由を掘り下げると、実は「腸内細菌が作り出すガス」は全体の約1割〜2割に過ぎず、残りの約8割は無意識に口から飲み込んだ空気(窒素や酸素)であることが医学的に判明しています。
特に現代人に急増しているのが、緊張やストレス、早食いによって大量の空気を飲み込んでしまう呑気症の症状と対処法です。噛みしめ癖やPC作業中の無意識な歯の接触(TCH:上下歯列接触癖)がある人は、唾液を飲み込むたびに微小な空気を胃へと送り込んでいます。胃からげっぷとして出せなかった空気はそのまま小腸・大腸へと流れ込み、巨大なガスだまりを形成します。奥歯を離し、舌先を上顎につける姿勢を意識することが基本的な対処となります。
もう一つの見逃せない要因が、過敏性腸症候群ガス型の特徴です。器質的な異常がないにもかかわらず、脳と腸の情報伝達エラー(脳腸相関の乱れ)によって内臓知覚過敏が引き起こされ、健常者なら気にならないわずかなガス量でも強烈な膨満感や下腹部痛を感じてしまいます。「人前でオナラが出たらどうしよう」という不安そのものが交感神経を刺激し、腸の動きを麻痺させてさらにガスを滞留させるという、精神的・身体的な悪循環に陥りやすいのがこの病態の残酷なリアルです。