本田圭佑のスーツ姿を語る上で欠かせない象徴が、サッカー日本代表のオフィシャルスーツとして名高いダンヒル(dunhill)の「サムライブルースーツ」である。公益財団法人日本サッカー協会(JFA)と英国屈指のラグジュアリーブランドであるダンヒルが2000年から継続するパートナーシップにおいて、本田圭佑はそのアイコンとして圧倒的な存在感を放ってきた。遠征時の空港ロビーや公式会見で彼が見せたネイビーの端正な佇まいは、従来の「ジャージ姿で移動するアスリート」のイメージを根本から覆した。
ダンヒルが提供する代表公式スーツは、英国サヴィル・ロウの伝統的なテーラリング技術を現代的に再解釈したものであり、既製品とは一線を画す。生地には過酷な移動や気候変化に耐えうるスーパーファインウールが厳選され、価格帯は一般向けに限定受注されたモデルで約25万円から45万円前後、ネクタイやシャツなどのアクセサリーを含めると一式で50万円超に達する。アスリートの強靭な大胸筋や厚みのある大腿部を窮屈に見せず、かつ無駄なシワを出さない立体縫製は、まさにビスポーク(フルオーダー)に匹敵する完成度を誇る。
一方、代表活動を離れたビジネスや公の場において、本田圭佑はイタリアや国内屈指の熟練テーラーによるプライベートなオーダースーツを愛用している。関係者や現場のスタイリング担当者の証言によれば、彼のスーツは肩パッドを極力薄くしつつも胸元のドレープを美しく際立たせるナポリ仕立ての要素を取り入れ、1着あたり30万円から100万円を超えるハイエンド仕様が多い。選ばれる服地は「ロロ・ピアーナ(Loro Piana)」や「エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)」などの最高級ミル(織元)のものが中心であり、触れるだけで上質さが伝わる光沢としなやかさを備えている。