小川軒を巡る最大の疑問が、各所にある店舗の歴史と味の違いです。発祥は明治38年(1905年)に初代・小川鉄五郎氏が創業した洋食店ですが、現在は親族によって4つの独立した系列へとのれん分けされています。なかでも有名な3系統の違いを比較してみましょう。
第一に、元祖の系譜を色濃く残す「代官山小川軒」。初代店主が考案した「レイズン・ウィッチ」の味を厳格に継承しており、ふっくらと煮上げたレーズンと高品質なバタークリーム、香ばしく焼き上げたクッキーの調和が際立ちます。直営店中心の展開で希少価値の高さが特徴です。
第二に、ビジネス街の贈答品として圧倒的支持を誇る「巴裡 小川軒(新橋・目黒)」。洋酒の芳醇なアロマがしっかり効いた大人の味わいで、しっとりとしたサブレ生地と濃厚なクリームが口の中でとろけます。新橋駅前ビルに店舗を構え、都内屈指の名物手土産として親しまれています。
第三に、駅ナカや百貨店へ積極的に展開している「鎌倉小川軒」。こちらはラム酒の風味を上品に抑え、お子様やお酒が苦手な方でも美味しく食べられるようマイルドに仕上げられています。サクサク感を維持したサブレと独自のラムレーズンが万人受けする味わいで、東京駅改札内お土産レーズンウィッチとして流通している主力の銘柄です。