事故直後、インターネット上では「他のスーパーカーと違法なドラッグレース(ストリートレース)を行っていたのではないか」という噂が飛び交いました。現場が工業団地の直線道路であったことから憶測を呼びましたが、周辺の防犯カメラ映像や目撃証言を精査した警察当局は、「他車の関与はなく、単独のスピン事故であった」と正式に発表し、レース疑惑を完全に否定しています。
また、大きな注目を集めたのが、ポールの当時16歳だった愛娘メドウ・レイン・ウォーカー(Meadow Rain Walker)が2015年に起こした、ポルシェ北米法人に対する製造物責任・不法死亡訴訟です。
メドウ側の弁護団は、「カレラGTには適切な横滑り防止装置がなく、燃料ラインの保護構造やシートベルトのアンカー設計に重大な欠陥があったため、ポールは脱出できずに炎に巻き込まれた」と主張しました。ポルシェ側は当初「乱暴な運転と不適切なメンテナンス(古いタイヤ)が原因である」と反論していましたが、2017年10月、両者の間で条件非公開の極秘和解が成立し、裁判は終結しました。これに先立ち、メドウは運転手ロジャー・ロダスの遺産管理団体からも1,010万ドル(当時のレートで約11億円)の損害賠償を受け取っています。