秋元梢の人間性を語る上で避けて通れないのが、大相撲第58代横綱・千代の富士(先代九重親方)の存在です。実家は東京都江東区に構える大相撲・九重部屋。幼少期から数十人もの力士たちが寝起きし、厳しい勝負の世界が日常にあるという極めて特殊な環境で育ちました。
家族構成は、父、母、兄、姉、梢、そして生後間もなく亡くなった妹の6人家族。厳格でありながら深い愛情を注ぐ父のもとで、「礼儀作法」「挨拶」「他者への気配り」を徹底的に叩き込まれました。東海大学付属浦安高等学校から東海大学へと進学し、モデルへの道を志した際、父から投げかけられた言葉は「やるなら中途半端にするな。一番を目指せ」「自分の力だけで登り詰めろ」という厳しい激励でした。
デビュー当初、事務所関係者やメディアに対して「千代の富士の娘」であることを伏せてオーディションを受け続けたエピソードは有名です。父の威光に頼ることを頑なに拒み、現場で自らの存在価値を証明し続けた下積み時代こそが、現在の彼女の芯の強さを形成しています。2016年に父が膵臓癌で逝去した際も、気丈に振る舞いながらモデルとしてのプロフェッショナリズムを全うした姿は、多くの関係者の胸を打ちました。