ネット上のコミュニティでは「弱い薬から順番に試して、ダメなら強い薬を使うべきだ」という言説が散見されます。しかし、炎症性疾患のコントロールにおいては、この考え方がかえって治療を長引かせ、結果的なステロイド総投与量を増やしてしまう盲点があります。
激しい急性炎症に対して中途半端な力価の薬をダラダラ使い続けると、組織の損傷が進行し、慢性化のリスクが高まります。医療の現場では、「作用の強いデキサメタゾンを初期に短期間だけ投与して一気に炎症の火を消し、速やかに投与を終了する」という戦略(ショートコース療法)が非常に有効に機能します。
「薬の力価が強い=危険な毒性が強い」ではなく、「力価が強い=微量で目的の消炎効果を発揮できる高効率な薬」と捉えるのが、薬理学的に正確な視点です。