毎年8月15日、政府主催により日本武道館で開催される全国戦没者追悼式や、広島・長崎における平和祈念式典の報道ニュースからは、明らかな構造変化が見て取れます。
厚生労働省の公表データによると、全国戦没者追悼式に参列する遺族の平均年齢は年々上昇を続け、近年では80歳を大きく突破しています。かつて参列者の中心であった「戦没者の妻」はほぼ姿を消し、現在は戦没者の子ども世代や孫・ひ孫世代の参列が過半数を占める状況です。
取材現場では、「親から当時の話を聞いた記憶がある最後の世代」が高齢化し、学校現場や地域コミュニティにおける戦争体験者の講話が物理的に不可能になりつつある実態が浮き彫りになっています。これに対し、NHKや公立公文書館による3Dデジタル証言アーカイブの構築や、VR技術を用いた当時の街並みの再現など、テクノロジーを活用した新たな継承手法が本格稼働しています。