「いいこと悪いことは同じ数」は本当か?運気の波と心理学が暴く驚きの真相

「いいこと悪いことは同じ数」は本当か?運気の波と心理学が暴く驚きの真相

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結論から述べると、客観的・数学的な事実として「人生で起きる良い出来事と悪い出来事が完全に同数になる」という証拠は存在しない。にもかかわらず、なぜ世界中で「いいこと悪いこと 同じ数説」や「人生 プラマイゼロ 法則」が根強く信じ続けられているのだろうか。

その背景には、古代から受け継がれてきた知恵と、人間の精神安定メカニズムがある。代表的な故事成語である『塞翁が馬 意味 由来』を振り返ると、国境の砦に住む老人の馬が逃げて不運に思えたことが後に名馬を連れて戻る幸運となり、その馬から落ちて息子が足を骨折した不幸が、結果的に戦争への徴兵を免れる命の救済へと繋がった。また、古代中国の思想書『史記』に登場する『禍福は糾える縄の如し』という言葉も、災いと幸福はより合わせた1本の縄のように表裏一体で交互にやってくることを説いている。

これらの故事が伝えている本質は、「出来事そのもののプラスマイナスが完全に同量である」という計算式ではない。「幸運に浮かれて油断するな」「不運に絶望して命を投げ出すな」という、激動の時代を生き抜くための処世術であり、過度な感情の起伏を抑えるための知恵なのだ。

統計学の観点から見れば、極端な幸運や不運の後には、平均的な日常へと戻っていく「平均への回帰(Regression to the mean)」という現象が必ず起きる。大成功を収めた後に平常の状態へ戻ることを「悪いことが起きた」と錯覚し、逆に不幸のどん底から普段の生活に戻ることを「良いことが起きた」と知覚する。これが、良いこと 悪いこと バランスが保たれているように感じる数学的・知覚的な真実である。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。