ネット上の簡易的な解説記事やQ&Aサイトで頻繁に見受けられるのが、「It is ... for 人 to 不定詞」と「It is ... of 人 to 不定詞」の混同、そして不定詞そのものの「to」と前置詞「for」の機能的重複に対する誤解です。
文法書で習う不定詞の意味上の主語forとtoについて、正確な構造を捉え直してみましょう。一般的に「〜にとって…することは容易だ/困難だ」と言う場合、構文は次のようになります。
- It is important for you to review this document.(あなたがこの書類を復習することが重要だ)
なぜここで意味上の主語を導く前置詞として「to you」ではなく「for you」が選ばれるのか。それは、「書類を復習すること」という客観的な行為が、あなたという人物の「利益・影響の範囲(〜に向けられた価値)」として存在しているからです。「あなたに向けて(for you)評価したとき、それは重要である」というニュアンスを持ちます。
ただし、ここでネット上でよくある誤解が「人の性質を表すときもforを使う」という勘違いです。親切さや愚かさなど、人の内面的な性格・評価を述べる場合は「for」ではなく「of」を用います。
- It was very kind of you to invite me.(お招きいただき、あなたのご親切に感謝します)
- ❌ It was very kind for you...(文法的な誤り)
「of」は対象の属性や内面の一部分(切り離せない性質)を表すため、「親切な性質=あなた自身から滲み出たもの」としてofが機能します。これに対し、外部からの行為の宛先や目的を指す際には「for」が不動の位置を占めます。このforとtoのニュアンス解説を曖昧にしたまま構文の形だけを丸暗記していると、ライティングで不自然な英文を量産する原因となります。