安倍晋三氏の青年期を語る上で、避けて通れないのがその類まれなる家系です。母方の祖父は「昭和の妖怪」と呼ばれ日米安保条約改定を断行した岸信介元首相、大叔父にはノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元首相が名を連ねます。そして実父は、将来の首相候補として「プリンス」と称された安倍晋太郎元外務大臣です。
1982年、父・晋太郎氏の外務大臣就任に伴い、安倍氏は神戸製鋼所を退職し、外務大臣秘書官に就任しました。28歳から31歳にかけてのこの時期、安倍氏は父に随行して世界39カ国以上を訪問。米ソ冷戦の緊張が続く中、中東和平調停や日米貿易摩擦といった緊迫した国際交渉の舞台裏をすべて間近で体感しました。
父の厳しい指導を受けながら鞄持ちとして走り回った秘書官時代は、安倍氏にとってまさに「最高の政治大学院」であり、後に世界各国の首脳と渡り合う強固なリーダーシップの血肉となっていきました。