博多水炊きの名店が提供する、唇にまとわりつくほど濃厚な白濁スープ。あの深いコクととろみは、長時間の煮込みだけでなく「強火による乳化現象」によって生み出されています。
鶏ガラや骨付き肉を煮込むと、骨や軟骨に含まれるコラーゲンが加熱によってゼラチン質へと変化します。このゼラチン質が水と鶏の脂(チー油)を結びつける乳化剤の役割を果たし、ボコボコと沸騰する対流の力で細かく混ざり合うことで、見事な白濁スープが完成します。
家庭でスープが濁らない最大の原因は「弱火でコトコト煮てしまうこと」にあります。清湯(澄んだスープ)を作るときは弱火が鉄則ですが、博多風の白濁スープを目指すなら、アクを取った後はしっかりと煮立たせ続ける強い火加減が欠かせません。「博多華味鳥」をはじめとする名店の味わいを再現する第一歩は、この対流の力を味方につけることです。