自転車の空気トラブルを理解するうえで避けて通れないのが、タイヤバルブの構造です。現在流通している自転車バルブ種類は、主に「英式(ダンロップ)」「仏式(プレスタ)」「米式(シュレイダー)」の3系統に分かれており、それぞれ構造も弱点も異なります。
通勤・通学用ママチャリやシティサイクルの9割以上に採用されているのが「英式バルブ」です。構造が極めてシンプルで扱いやすい反面、空気の逆流を防ぐために「プランジャー」と呼ばれる金具に小さなゴム管(虫ゴム)を被せる構造になっています。この虫ゴムは常に強い空気圧と外気にさらされているため、紫外線や摩擦、油分によって1年も経てばボロボロに硬化・断裂します。これが典型的な英式バルブ空気漏れの引き金です。
一方、ロードバイクやクロスバイクに多い「仏式バルブ」は高圧に耐えられる精密構造で虫ゴムは存在しませんが、先端のコア小ネジの締め付け不足やパッキン劣化で漏れることがあります。マウンテンバイクや電動アシスト自転車の一部に用いられる「米式バルブ」は自動車と同じ構造で堅牢ですが、専用のバルブコアツールで締め直さないと微量なエア漏れを起こすケースがあります。自分の自転車がどのバルブを採用しているかを把握することが、トラブル解決の第一歩です。