高市氏の政治基盤を語る上で欠かせないのが、故・安倍晋三元首相との深い師弟関係とその政治的遺産だ。「力による和平」と「強い日本経済」の立案に携わった記憶は、今なお彼女の政治理念の根幹を成している。保守派の精神的支柱を失った後の自由民主党内において、その正統な後継者としての位置づけを強烈にアピールする戦略だ。
しかし、単なる過去の踏襲にとどまらない。対米関係の再定義やアジア太平洋地域における多角的な安全保障枠組みの構築など、自らのカラーを打ち出す動きを強めている。安倍外交の遺産を継承しつつも、新時代の現実に合わせた独自の解釈を加えることで、党内保守派の結集を図る目論見が透けて見える。