水上温泉郷の歩みは、旅の情緒とともにあった。かつて歌人・若山牧水はこの地を訪れ、みなかみの清らかな渓流と湯の温もりに魂を揺さぶられて名歌を残した。今も昔も、人の心を捉えて離さない情景がここにはある。だが、歴史の重みにあぐらをかいているわけではない。地域はいま、力強い再生の歩みを進めている。
官民の連携も加速する。みなかみ町観光協会を中心に、広域連携を狙う「群馬デスティネーションキャンペーン」などと連動した滞在型観光の仕組みづくりが結実しつつある。廃屋の撤去や景観整備が進み、若い世代のカフェやアウトドアアクティビティ拠点が次々と誕生した。歴史ある温泉情緒とアクティブな山岳カルチャーの融合が、かつてない奥行きを街にもたらしている。