「煙とニンニクが凄まじい」という評判を聞きつけながらも、客足が一向に途絶えない焼肉山力。愛知県一宮市木曽川町黒田に店舗を構える同店が誇る最大の武器は、昭和の風情を色濃く残す大衆焼肉のエネルギーと、他店の追随を許さない圧倒的な味覚体験です。
看板に掲げられた赤文字をくぐると、そこには昔ながらの卓上ガスロースターがずらりと並び、各テーブルから立ち上る白煙で店内奥がかすんで見えるほど。この「煙モクモク」の光景こそが、山力のアイデンティティそのものです。無煙ロースターが標準装備となった現代の焼肉シーンにおいて、あえて時代に逆行するかのようなダイナミックなライブ感が、来店客の食欲と高揚感を限界まで刺激します。
その熱狂の中心にあるのが、看板メニューの名物とんちゃんです。新鮮な豚ホルモンを、すりおろしニンニクが大量に投入された自家製の秘伝赤味噌ダレで豪快に揉み込んだ一品。熱された鉄板に乗せた瞬間、ニンニクと焦げた味噌の香りが爆発的に広がり、口に運べばホルモンの甘みと強烈なパンチが渾然一体となって押し寄せます。一度食べたら数日後にはまた身体が欲してしまう中毒性こそ、半世紀近くにわたり支持され続ける最大の理由です。