世間が抱く「華麗な芸能人親子」というステレオタイプとは裏腹に、松田聖子 神田沙也加 母娘の絆は、激しい葛藤と対等なリスペクトが交錯する人間味あふれるものでした。沙也加さんは幼少期から「松田聖子の娘」という巨大な看板を背負い、学校生活での孤独や好奇の視線に晒され続けてきました。自著や過去のインタビューにおいて、母の存在の大きさに押し潰されそうになりながらも、そのプロフェッショナリズムに憧れを抱いていた胸中が赤裸々に語られています。
その二人の絆が最も美しく結晶化した瞬間が、2011年の第62回NHK紅白歌合戦でした。松田聖子 神田沙也加 紅白歌合戦 共演において、二人は坂本九の名曲『上を向いて歩こう』をデュエット。ステージ上で見つめ合い、涙ぐむ沙也加さんの手を優しく握りしめる松田聖子の姿は、単なる共演者を超えた母娘の魂の対話として、瞬間最高視聴率49.7%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)を記録する国民的名場面となりました。
沙也加さんは後に、この共演を振り返り「母の偉大さを改めて肌で感じ、同じ舞台に立てたことが何よりの誇り」と語っています。偉大な母と同じ土俵に立ちながら、自分自身の足で歩む決意を固める契機となった象徴的な出来事でした。