二人がなぜこれほどまでに比較され続けるのか。その答えは、それぞれの20代におけるビジュアルと放っていた異質なエネルギーを並べてみることで明確になります。岩城滉一の若い頃のかっこよさは、まさに昭和のストリートカルチャーそのものでした。原宿の表参道をブラックレザーのライダースと大型バイクで埋め尽くしたクールス時代、矢沢永吉率いるキャロルの親衛隊を務めていた岩城は、スカウトされて東映の不良番長シリーズや映画『新幹線大爆破』で銀幕デビューを飾ります。作られたアイドル性とは無縁の、路地裏の匂いと本物の危険な香りをまとった美男子として、当時の若者を熱狂させました。
一方で、反町隆史の若い頃の比較を行うと、平成のテレビドラマ黄金期におけるカウンターカルチャーを担っていたことが分かります。1990年代中盤の男性アイドルやトレンディ俳優がソフトな王子様路線を走っていた中、反町は無骨な男らしさを前面に押し出しました。『GTO』で見せた型破りな教師・鬼塚英吉役や、『ビーチボーイズ』で見せた飾らない笑顔と筋肉美は、単なる女性向けのイケメンにとどまらず、同世代の男性たちがこぞって髪型やファッション(白Tシャツにシルバーアクセ、タンクトップ)を真似する社会現象を巻き起こしました。
両者の若い頃に通底しているのは、「媚びない目線」です。カメラの向こうの視聴者に愛嬌を振りまくのではなく、自らの足で大地を踏みしめ、自分の好きなものだけに没頭しているような無頼な空気感。この生々しい男性ホルモンの発露こそが、時代を超えて「反町隆史と岩城滉一は似てる」と直感させる遺伝子的リンクの正体です。