菊池桃子が長女の異変に気づいたのは、まだ幼い乳幼児期のことだった。突如として体に現れた麻痺の症状。診断の結果は、大人に生じるイメージが強い脳血管障害の一種、小児脳梗塞だった。
「なぜ、この子が」――。激しいショックと罪悪感が彼女を襲った。医師からの宣告を受け入れたくても受け入れられない葛藤の日々。左半身に麻痺が残る愛娘の未来を思い、一人で涙を流す夜もあったという。しかし、幼い身体で過酷なリハビリに懸命に立ち向かう娘の姿が、母の腹をくくらせた。
隠すのではなく、共に前を向く。娘が成長する過程で直面した学校教育での壁や周囲の理解不足に対しても、菊池桃子は自ら勉強を重ね、社会への啓発活動を始めた。2026年の現在、成長を遂げた娘は自身の障害を受け入れつつ、周囲の支えを得ながら自立した道を歩んでいる。乗り越えてきた歳月は、揺るぎない母娘の絆となって昇華している。