2026年現在、同人誌即売会をめぐる環境はかつてない熱気を帯びている。長引くデジタル化の波を飲み込み、リアルな即売会とオンライン配信、クラウドファンディングが高度に融合したハイブリッド型の熱狂が定着した。会場の通路を埋め尽くす参加者の熱気は、数年前の入場制限時代を完全に過去のものへと追いやっている。
特に注目すべきは、作品ジャンルの著しい細分化とグローバル化だ。VTuber関連や最新ソーシャルゲームの二次創作が爆発的なスペース数を占める一方で、クラシックなオリジナル作品やマニアックな評論・レポ誌も確実にシェアを広げている。海外からのインバウンド客が目当てのサークル列に並ぶ光景も当たり前となった。刷り上がったばかりの同人誌をその場で手渡し、ダイレクトに感想を伝える熱量は、デジタル画面越しでは決して代替できない物理的な体験価値として、若い世代をも強く引きつけている。