海外の遠い出来事と思われがちだが、日本国内も決して対岸の火事ではない。警察庁の最新年次レポートでも、サイバー空間を起爆剤とした個人型の過激化に対する懸念が前面に押し出されている。
かつての「セクト」による爆破事件や拉致事件とは異なり、現代のリスクは重要インフラへのランサムウェア攻撃や、公共交通機関を狙った偽の爆破予告、あるいは要人に対するSNS上での脅迫の連鎖といった形で現れる。特に、日本特有の「無敵の人」と呼ばれる社会的に孤立した層が、ネット上の過激言説に触発されて行動を起こす事件が複数発生しており、従来の公安警察の枠組みを超えた包括的な監視体制が敷かれている。