Wikipediaの記事および公式発表資料を総合すると、第一滝本館で楽しめる温泉の泉質は次の5種類とされている。①硫黄泉(含硫黄—アルミニウム—硫酸塩泉)、②食塩泉(塩化物泉)、③重曹泉(炭酸水素塩泉)、④明礬泉(硫酸塩泉)、⑤鉄泉——これが「日本の10泉質の半数」と館側が強調する根拠だ。
特筆すべきは、これらすべてが自家源泉による100%かけ流しという点。温泉業界でかけ流しは「真っ当な温泉」の証明とも言われるが、複数泉質を同時にかけ流しで提供できる宿は全国的に見ても極めて稀だ。水の補充や加水を行わず、湧き出す温泉をそのまま湯舟に注ぎ込む——この贅沢な方式こそ、「登別第一滝本館の源泉かけ流し泉質」として旅行メディアで繰り返し注目される最大の理由である。
さらに男女合わせて35ある湯舟は、湯守が毎日手作業で清掃しているという事実が、公式情報として明記されている。自動洗浄機器に頼らず、人の手で丁寧に管理された湯舟——これは「施設の規模が大きければサービスが粗くなる」という旅行者の先入観を完全に覆すものだ。
露天風呂については、圧倒的な景観が最大の差別化ポイントとなっている。地熱によって絶えず噴煙が上がる「地獄谷」を眼下に収めながら浸かる露天風呂は、他の温泉地では再現不可能な体験だ。登別温泉の露天風呂種類として比較されることの多い「夢殿」「大露天風呂」など、複数のゾーンが組み合わさった構成は、1回の入浴で「温泉の旅」が完結するほどの充実度を誇る。
【硫黄の香りと肌ざわり】各泉質の効能と入浴順序の専門家的ポイント
温泉療養のプロフェッショナルや旅館専門家の見地から言えば、複数の泉質が混在する温泉施設での入浴は、順序と時間配分が体験の質を大きく左右する。一般的な推奨は「低刺激の泉質から高刺激の泉質へ」——つまり食塩泉・重曹泉でウォームアップし、最後に硫黄泉や明礬泉で締めるスタイルだ。第一滝本館の35の湯舟は、この「温泉ツアー」を館内で完結させる設計になっており、単に「たくさん風呂がある」以上の意味を持つ。