大久保利通暗殺の真相|紀尾井坂の変の動機と西郷隆盛の手紙の謎

大久保利通暗殺の真相|紀尾井坂の変の動機と西郷隆盛の手紙の謎

大久保利通暗殺の真相|紀尾井坂の変の動機と西郷隆盛の手紙の謎の全貌を詳しく解説してご紹介します。

暗殺劇の首謀者は、加賀藩(石川県)出身の士族・島田一郎です。島田は戊辰戦争に従軍した軍歴を持ち、維新後は政治結社を結成して反政府活動を続けていました。当初は西南戦争に呼応して挙兵を企てたものの、挙兵資金や同調者が集まらず断念。西郷の敗死を知ると、「奸臣の大久保を討つことこそが国を救う道である」と確信し、要人暗殺計画へと舵を切りました。

犯行グループが懐中に忍ばせていた「斬奸状」には、大久保ら政府首脳を断罪する以下の五罪が明記されていました。

  • 第一罪(民意の抑圧):国会(民選議院)を開かず、公論を封じて一部の薩長閥による専制政治(有司専制)を行っていること。
  • 第二罪(法令の乱発):法令をみだりに改変し、官規を乱して国民を惑わせていること。
  • 第三罪(不要不急の事業):無理な土木工事や外見ばかりの事業を進め、国費を浪費して民衆を苦しめていること。
  • 第四罪(忠臣の排斥):西郷隆盛をはじめとする真の憂国の士を追い詰め、国家の柱石を失わせたこと。
  • 第五罪(外交の失策):外国に対して弱腰であり、国権を失墜させていること。

これらの主張は、士族の特権喪失への怒りだけでなく、当時勃興しつつあった自由民権運動のスローガンを巧みに取り込んだものでした。当時の記録によると、島田らは単なる私怨ではなく、「自らの命を捧げて専制を打破する」という歪んだ義憤に駆られていたことが判明しています。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。