全国の天気予報を見ている人々が抱きがちな典型的な誤解が、「九州・福岡は南国だから東京や大阪より断然暖かい」という認識です。しかし、気象地理学的に見てこの先入観は完全に間違っています。
博多の位置する福岡地方は、気候区分上は日本海型気候の性格を強く帯びています。大陸からの冷たい季節風を遮る高い山脈が北側に存在しないため、寒気が南下するとダイレクトに玄界灘を渡って吹き込みます。その結果、冬から春先、晩秋にかけては日本海側の都市と同様に鉛色の雲が広がり、強烈な北西風が街中を吹き抜けます。
特に博多駅博多口前やキャナルシティ博多周辺、天神の明治通り沿いなどは、超高層ビル群によって気流が収束される「ビル風効果」が顕著です。気象庁の発表気温が15℃であっても、風速6m/sの風が吹き抜けるビル街角では体感温度が9℃近くまで急落します。この「風による体感温度の落とし穴」を計算に入れずに薄着で街へ繰り出し、寒さに震え上がる来訪者が後を絶ちません。