ランバンという名称を含むブランド群について、一般の消費者が最も混乱しやすいのが「本家ランバン パリ」「ランバン コレクション」「ランバン オン ブルー」の立ち位置の違いです。この関係性を理解するには、伊藤忠商事によるライセンス展開と国内アパレルビジネスの文脈を押さえる必要があります。
1889年にジャンヌ・ランバンが創業した「LANVIN PARIS」は、現存するフランス最古のクチュールメゾンです。母と娘の強い絆を象徴したロゴマークに代表されるエレガンスは、世界の王侯貴族やセレブリティを魅了してきました。プレタポルテ(高級既製服)のジャケットが数十万円から100万円規模に達する、まぎれもない最高峰のラグジュアリーブランドです。
日本国内では、伊藤忠商事がマスターライセンスを保有し、国内消費者の体型や生活様式、価格受容性に合わせたライセンスラインを緻密に設計しました。その中で誕生したのが、ハイエンドな大人の社交着を提案する「ランバン コレクション」と、よりカジュアルで手の届きやすいプライスゾーンを担う「ランバン オン ブルー」です。
このように、ランバン オン ブルーは「手の届くラグジュアリー」として、20代から40代の働く女性やファミリー層向けに最適化された独自ラインです。本家の重厚さを日常使いしやすいデザインとプライスに落とし込んでいる点が、国内で20年以上にわたり商業的成功を収めてきた最大の理由です。