現代の自家用車市場ではオートマチック(AT)車が圧倒的多数を占めており、指定自動車教習所の卒業者統計でもAT限定免許の選択率は7割を超えている。これに伴い、「AT限定である事実を履歴書にわざわざ書くべきか」という疑問を抱く求職者が増えているが、書類作成の作法から言えば省略せずに明記するのが大原則である。
AT限定正式名称を資格欄へ落とし込む際は、名称の末尾にカッコ書きで付記する形式が一般的だ。履歴書AT限定表記マナーの実例は次の通りである。
・一般的な現行AT自動車免許:「普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得」
・準中型(5t限定)でATの場合:「準中型自動車免許(5t限定)(AT限定) 取得」または「準中型自動車運転免許(5t限定・AT限定) 取得」
・中型(8t限定)でATの場合:「中型自動車免許(8t限定・AT限定) 取得」
一方、送迎バスや福祉車両、タクシー・ライドシェア事業など旅客運送を目的に業務車両を操縦する場合は、普通自動車第二種運転免許の記載が必要となる。第二種運転免許は、乗客の命を預かる職業ドライバー向けに合格基準が引き上げられた公的資格であり、第一種免許と併記するのではなく、上位資格として独立した行を設けて「普通自動車第二種運転免許 取得」と明示するのが正しい。
かつては「AT限定だと不真面目に見える」といった根拠のない俗説が一部に渦巻いていたが、現在の採用現場において一般的なオフィスワークやAT仕様の営業車を使う職種であれば、限定条件そのもので合否が左右されることはまずない。それ以上に、「AT限定の表記を意図的に隠し、面接や採用後にMT車の運転を命じられてトラブルになるリスク」のほうが、企業コンプライアンスの観点から深刻なダメージを招く。