持続可能性(サステナビリティ)への問いに対する答えとしても、現代の出汁は進化を続けている。気候変動や海洋環境の変化に伴い、従来の高級昆布や鰹節の供給が不安定化するなか、アップサイクル技術を用いた新たな旨味の探求が本格化しているのだ。
これまで市場に出回らず廃棄されていた「未利用魚」や、醸造副産物である酒粕、野菜のヘタや皮を極限まで分解・発酵させた精進出汁の開発が急速に進む。精進料理の知恵と現代の酵素科学が組み合わさることで、動物性原料を一切使わずに、豚骨や鶏ガラに匹敵する重厚な旨味を再現することに成功。ヴィーガンやベジタリアン層はもちろん、地球環境負荷を気にするZ世代・α世代を中心に、新たなプレミアム食としての地位を固めている。