天皇のY染色体継承論争とは?万世一系の根拠と皇位継承の真相

天皇のY染色体継承論争とは?万世一系の根拠と皇位継承の真相

天皇のY染色体継承論争とは?万世一系の根拠と皇位継承の真相とはどのようなものなのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

なぜ歴史上、男系継承は今日まで持続できたのでしょうか。その最大の歴史的要因は、紛れもなく側室制度の歴史にあります。

第121代孝明天皇や第122代明治天皇、さらには第123代大正天皇に至るまで、歴代天皇の多くは側室(側宮)から誕生しています。明治天皇には15人のお子さまがおられましたが、成人された男子は大正天皇お一人でした。一夫多妻的な側室制度というバックアップ機能が存在したからこそ、高い乳幼児死亡率の時代にあっても男系男子の糸をつなぎ止めることができたのです。

しかし、大正天皇が一夫一婦制を実践され、昭和天皇の代に側室制度は完全に廃止されました。現代の倫理観に照らせば側室の復活は到底不可能です。自然な出生比率(男児が生まれる確率は約51%)のもとで、一夫一婦制のまま男系男子のみに継承を限定し続ければ、数学的・確率論的に皇統が途絶えるリスクは年々跳ね上がります。

そこで政府有識者会議などで有力視されているのが、1947年にGHQの指令下で皇籍を離脱した旧皇族男系男子(伏見宮家系統の旧11宮家)の子孫を、養子縁組などによって皇籍に復帰させる方策です。しかし、この案に対しても「室町時代の崇神天皇の皇子(伏見宮家初代)まで遡らなければ血統がつながらず、およそ600年間も皇籍から離れた一般国民を皇族とすることに国民的合意が得られるか」という懸念が、国会審議や法学者の間で根強く指摘されています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。