『進撃の巨人』はなぜ気持ち悪い?不気味な巨人やトラウマ描写の正体

『進撃の巨人』はなぜ気持ち悪い?不気味な巨人やトラウマ描写の正体

『進撃の巨人』はなぜ気持ち悪い?不気味な巨人やトラウマ描写の正体の疑問点について、分かりやすい解説を基に徹底解説します。

物語が後半に進むにつれて、気持ち悪さの質は「未知の怪物への生理的嫌悪」から「圧倒的な破壊と虐殺への戦慄」へと変貌を遂げます。その象徴が、エレンが顕現させた「始祖の巨人」の最終形態です。

肉体をほとんど持たず、巨大な肋骨と背骨のみがムカデや恐竜のように連なる異様な姿は、従来の巨人の造形を遥かに超越した不気味さを放っていました。神聖さと冒涜感が同居するその異形は、もはや人類の理解が及ばない存在へと変貌したエレンの内面を具現化したものでした。

そして物語のクライマックスである「地鳴らし」の発動により、グロテスク描写のスケールは極限に達します。超大型巨人たちの行進によって、逃げ惑う無辜の民衆、赤ん坊を抱えた母親、動物たちが一瞬にして踏み潰され、熱気で炭化していくプロセスが生々しく描かれました。個人の捕食というミクロな恐怖から、文明と命が平坦に押し潰されるマクロな地獄絵図へのシフトは、読者の精神を激しく揺さぶる結果となりました。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。