WBSCが管轄する国際試合は、日本の高校野球とは全く異なるレギュレーションで進行します。このルールへの理解なしに、代表の采配を正しく評価することはできません。
現行の国際ルールにおける最大の特徴は「7イニング制」と「タイブレーク(無死一・二塁からスタート)」の存在です。9回制に比べて試合展開が約22%短縮されるため、序盤の1点が持つ価値が極めて重くなります。先発投手が立ち上がりに2点を失えば、それだけで致命傷になりかねません。
そのため、試合日程が過密を極めるオープニングラウンドからスーパーラウンドにかけては、以下のような戦術が常套化しています。
・先発の早期見切り:打者一巡(2回〜3回)で球筋が合っていなければ即座に変則投手へスイッチする。
・バントとエンドランの多用:力でねじ伏せるよりも、守備の連係が甘い相手国の隙を突いて足を絡める。
・タイブレーク専任投手の配置:無死一・二塁の絶望的なピンチから、三振を奪って併殺に打ち取れる絶対的な球威と決め球を持つクローザーを温存する。
日程面でも、時差や現地の食事、硬いマウンドや滑りやすい公認球へのアジャストなど、選手にかかるフィジカル面・メンタル面の負荷は甲子園の比ではありません。過密日程を乗り切るコンディショニング能力こそが、隠れた最重要選考ファクターとなっています。