バリー・ボンズ薬物疑惑の全貌と現在|762本塁打と殿堂落選の真相

バリー・ボンズ薬物疑惑の全貌と現在|762本塁打と殿堂落選の真相

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メジャーリーグの歴史を根底から覆したのが、2003年に発覚した「バルコ(BALCO)事件」です。サンフランシスコ近郊に拠点を置く栄養補助食品会社「ベイエリア・ラボラトリー・コオペラティブ(BALCO)」が、トップアスリートたちにドーピング検査をすり抜ける新種薬物を組織的に供給していた事実が、連邦捜査局(FBI)や内国歳入庁(IRS)の強制捜査によって白日の下にさらされました。

この事件の中心にいたのが、バルコ社の創業者ビクター・コンテと、ボンズの専属パーソナルトレーナーを務めていたグレグ・アンダーソンでした。捜査当局が押収した顧客リストや血液検査のカルテには、陸上短距離走者らとともにボンズの名前が刻まれていました。提供されていたのは、当時の検査技術では検知できないよう分子構造を改変したデザイナー・ステロイド「クリア(THG:テトラヒドロゲストリノン)」、そしてテストステロンとエピテストステロンを特殊配合した経皮吸収剤「クリーム」でした。

報道各社の取材や公判資料によると、アンダーソンはボンズに対して綿密なサイクル表を作成し、カレンダー形式で投与スケジュールを管理していました。しかし、ボンズは2003年の連邦大陪審において「トレーナーから渡されたものを関節炎の治療薬や亜麻仁油(アマニ油)だと思い込んで使用していた」「ステロイドとは知らなかった」と頑なに主張。この「故意ではなかった」とする弁解が、その後の泥沼裁判と世論の激しい怒りを生む火種となりました。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

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