行政に頼り切るのではなく、自立したボランティア組織が数多く生まれている点も泉区の特徴だ。登下校時の小学生の見守り活動や、環境美化活動、防災訓練の指導など、シニア層が持つ組織運営力や経験値が存分に発揮されている。
特に注目の動きは、有償ボランティアの仕組みだ。ちょっとした電球交換や庭の手入れ、買い物の付き添いなど、日常生活の困りごとをシニア同士、あるいは地域住民同士で助け合う。対価として地域通貨やサービス券が支払われることで、助けられる側も気兼ねなく依頼でき、助ける側もやりがいと責任感を持てる。
「現役時代とは違う形で社会とつながり、感謝される。これ以上の生きがいはありません」。長年企業で管理職を務めたというボランティアのリーダーは、活動の意義を力強く語る。持続可能な地域助け合いの循環が、ここにはしっかりと根を張っている。