アリエルとエリックの娘であるメロディとの関係性は、モルガナの狡猾さが最も発揮されたパートです。人魚に憧れ、母アリエルから海の世界を隠されていたメロディの孤独と疎外感にモルガナは目をつけました。
モルガナはメロディに対して「自分を理解してくれる優しい味方」を演じ、魔法の薬で彼女を一時的に本物の人魚へと変貌させます。「永遠に人魚のままでいるためには、トリトン王からトライデントを取り戻す必要がある」と偽り、無垢な少女を操って祖父から王権の象徴を奪わせる手口は、アースラ譲りの悪辣な話術と言えます。
居場所を求める少女の心理的弱みにつけ込み、利用価値がなくなれば容赦なく切り捨てる冷酷さは、ディズニーヴィランズとしての風格を確かに備えていました。