ネット上のQ&AサイトやSNSでは、れんこんの穴の数について「8個が正解」「穴の数が決まっていないものは縁起が悪い」といった誤った言説が見受けられます。現場の青果市場関係者や農家への聞き取り調査によって判明した事実を整理します。
結論から言うと、日本国内で流通している一般的なれんこんの穴の数は「中央に1個、周囲に8個(合計9個前後)」が標準的です。ただし、品種や生育環境によって外側の穴が7個〜9個程度に変動することは植物学的に極めて自然な現象です。穴が何個であっても「通気組織として向こうが見通せる」という本質に変わりはなく、縁起の良し悪しに一切影響しません。
また、おせちで定番の飾り切りである「花れんこん(花蓮根)」は、外側の穴と穴の間に包丁でV字の切り込みを入れて角を落とし、蓮の花を模した形にする技法です。このひと手間の意味は、単なる見た目の美しさだけでなく、「神仏への敬意を表し、新春に大輪の福花を咲かせる」という祈りの具現化にあります。