フィットネス現場のインストラクターやパーソナルトレーナーへの取材、そしてSNSや質問投稿サイトに寄せられるトレーニーの告白を精査すると、机上の空論通りにはいかない「分割法の落とし穴」が浮き彫りになります。
都内の大手フィットネスクラブに通う30代の男性会社員は、自身の体験を次のように語っています。
「以前は有名ボディビルダーの真似をして、月曜=胸、火曜=背中、水曜=肩、木曜=腕、金曜=脚という5分割を組んでいました。しかし、平日に急な残業や会食が入るとメニューがずれ込み、『先週の月曜以来、2週間近く胸のトレーニングができていない』という事態が頻発しました。結局、モチベーションが維持できず、重量も全く伸びなくなってしまったのです」
さらに、知恵袋やコミュニティ掲示板で目立つのが、「部位を細かく分けすぎた結果、肩や肘の関節炎を引き起こした」という悲鳴です。月曜に胸のプレス種目をやり、火曜に肩のショルダープレスをやり、水曜に上腕三頭筋を追い込む——このようなメニューを組むと、筋肉は別部位であっても「肩関節」と「肘関節」には3日連続で高重量のストレスがかかり続けます。筋肉の回復よりも腱や関節の修復には時間がかかるため、慢性的な痛みを抱えてトレーニング中断を余儀なくされるケースが後を絶ちません。