事件の異様さを象徴するのが、被告自ら作成・販売していた「いただき女子マニュアル」の存在だ。単に嘘をついて金を要求するのではなく、ターゲットとした男性の孤独感や承認欲求に寄り添い、自発的に「助けてあげたい」と思わせるノウハウが詳細に言語化されていた。
心理的な依存関係を段階的に構築するそのプロセスは、悪質なマインドコントロールに近い。相手のプライドを傷つけず、むしろ「自分だけが彼女の理解者だ」と錯覚させる巧妙な話術。多額の現金を差出す被害者男性たちは、騙されていると気づかぬまま、自ら生活を破綻させていく沼へと足を踏み入れていったのだ。